骨盤臓器脱の手術別病院選びと最新治療―福岡薬院ひ尿器科コラム

骨盤臓器脱の手術は、病院ごとに得意とする術式や設備、症例数が大きく異なります。 腟式手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術、メッシュを用いない組織修復術など選択肢が増えた今こそ、「どこで、どの手術を受けるか」 や、「自分はどの手術が適しているのか」 の判断は難しいと思います。

当院は、女性特有の悩みに寄り添う「女性専用外来」を開設し、40歳以上の1割が悩むこの病気に対し、手術ありきではなく患者様の状態や生活様式に合わせた治療を提案しています。

ここでは泌尿器科の女性専門医の視点から、手術の現状と失敗しない病院の選び方、そして当院でも導入している最新の選択肢について分かりやすく解説します。

1. 選択肢はメッシュだけではない 

「手術=メッシュを入れる」と思われがちですが、実際には症状の重さや年齢、性生活の有無などによってベストな方法は異なります。

メッシュを使わない「従来法(ネイティブティッシュリペア)」や、軽度の段階で進行を防ぐ「インティマレーザー」といった、異物を体に入れない選択肢も確立されています。

メッシュ手術自体も進化しており、腹腔鏡やロボットを使って正確にメッシュを固定するLSC手術などが標準的になり、以前のようなトラブルのリスクは大幅に低減されました。

重要なのは「メッシュが怖いから治療しない」のではなく、複数の選択肢(手術、保存療法、レーザーなど)を提示できる専門医を選び、納得できる方法を見つけることです。

当院では、生活指導や骨盤底筋体操、薬物療法に加え、手術以外の選択肢として福岡でも希少な「インティマウェーブ」「インティマレーザー」による治療も行っています。

「手術はまだ怖いけれど、何か対策をしたい」という方にとって、身体への負担が少ない治療から始められる環境を整えています。

2. 泌尿器科が選ばれるワケ 

骨盤臓器脱は子宮が下がることが多いため婦人科の病気と思われがちですが、実際には膀胱瘤(膀胱の下垂)を合併しているケースが約60%を占めます。

そのため、手術で臓器を戻した後に「尿が漏れるようになった」「尿が出にくくなった」という排尿トラブルが隠れていた問題として浮上することがあります。

泌尿器科専門医であれば、手術前から排尿機能を詳しく検査し、術後の尿トラブルまで見越したトータルケアができます。

特に女性泌尿器科の知識を持つ医師は、骨盤底全体をひとつのユニットとして捉え、膀胱・子宮・直腸のバランスを整える治療を行うことができます。

また、病院選びでは「執刀医の経験数」と「治療の引き出しの多さ」が重要です。

メッシュ手術しか行わない病院、あるいはメッシュを全否定する病院ではなく、患者様の希望に合わせてメリット・デメリットを公平に話せる医師が信頼できるといえます。

3. 症状別の治療法と病院選び 

  • メッシュ手術(TVM・LSC) 

再発率を低く抑えたい方や、活動的な生活を送りたい方に選ばれる方法です。

膣からメッシュを入れるTVM手術は熟練した技術が必要ですが、腹部の傷がなく回復が早いメリットがあります。

一方、お腹から行うLSC(腹腔鏡下仙骨腟固定術)は現在多くの施設で標準となっており、メッシュ露出のリスクが低い術式です。

  • メッシュを使わない手術(従来法) 

自分の組織(筋膜など)を縫い縮めて臓器を持ち上げる方法で、異物を残さない安心感があります。

メッシュ露出のリスクはゼロですが、メッシュ手術に比べると再発率がやや高い傾向があります。

将来の妊娠を希望される方や、メッシュに強い抵抗感がある方に適しており、この術式を得意とする医師を選ぶことが大切です。

病院を選ぶ際は、術後の定期検診がしっかりしているか、万が一の合併症(メッシュ露出など)に対応できる体制があるかを確認しましょう。

当院では女性医師が対応し、術後のデリケートな悩みも相談しやすい環境を作っています。また、入院環境も整っており、術後の身体の回復期間も安心できます。

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  • 切らない最新治療(レーザー・磁気) 

「手術は怖い」「仕事が休めない」「まだ軽度だが予防したい」という方には、インティマレーザーやインティマウェーブが注目されています。

インティマレーザーは膣粘膜にレーザーを照射して組織をふっくらさせ、下垂感を改善する治療で、痛みやダウンタイムがほとんどありません。

インティマウェーブは着衣のまま椅子に座るだけで骨盤底筋を強力に鍛える磁気治療で、尿もれ改善とともに臓器脱の進行予防が期待できます。

当院は福岡でこれら2つの機器を導入している数少ないクリニックの一つで、重症度に応じた「切らない選択肢」を提案できます。

4.怖がらずに専門医へ 

骨盤臓器脱は、放置しても自然に治ることはなく、進行すると排尿困難や腎機能への悪影響が出ることもあります。

「メッシュが怖い」という理由だけで受診を先延ばしにするのが、実はいちばんのリスクかもしれません。

現在はメッシュを使わない手術や、そもそも手術をしないレーザー治療など、患者様の価値観に合わせた選択が可能です。

当院では、診察や検査のすべてを女性スタッフが対応し、プライバシーに配慮した空間でじっくりお話を伺います。

一人で抱え込まず、まずは「どんな選択肢があるか」を知ることから始めてみませんか。