何歳から?骨盤臓器脱の発症年齢層と放置してはいけないサイン―福岡薬院ひ尿器科コラム
骨盤臓器脱は「まだ自分には関係ない」と考えていませんか?
実際には早い方で出産直後から症状が出始め、40代後半から急激に増加し、50歳以上の女性では40%程度が罹患する非常に身近な病気です。
薬院ひ尿器科では、40歳以上の女性の1割が骨盤内臓器脱に罹患しているという統計を踏まえ、女性医師による完全予約制の専門外来を開設しています。
ここでは泌尿器科専門の女性医師として、骨盤臓器脱の発症年齢と見逃してはいけない初期サイン、そして受診のタイミングについて解説します。
1. 40代後半から急増する病気
骨盤臓器脱は、膀胱や子宮、直腸などの骨盤内臓器が膣壁を押し下げて体外まで下垂してくる病気の総称です。
海外の統計では、20歳代で0.5%、40歳代で2.3%、60歳代で5.1%と、年齢が上がるにつれて症状のある女性が増加しています。
多くの方は40代後半から60代以降に発症しますが、早い方では出産直後から症状を訴えられることもあります。
特に閉経後の50歳以降での発症が多く、出産経験のある女性ほど発症率が高くなる傾向があります。
女性のための泌尿器科では、中高年の10%にこの症状が現れるとしており、決して珍しい病気ではないことを知っていただきたいと考えています。
実際、女性の10人に1人が生涯のうちに骨盤臓器脱か尿失禁の手術リスクがあるという報告もあり、多くの女性が悩んでいる疾患です。
2.出産と加齢が主な原因
骨盤臓器脱の最大の原因は、出産による骨盤底筋のダメージと加齢による筋力低下、そして閉経に伴うホルモン変化です。
出産時に骨盤底筋が大きく引き伸ばされ、回復しきらないまま複数回の出産を重ねると、骨盤底の支持組織が徐々に弱くなっていきます。
その後、閉経によって女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、骨盤底の筋肉や結合組織の弾力性が失われ、臓器を支える力がさらに低下します。
国立長寿医療研究センターの報告では、年齢とともに脱垂は子宮から膀胱、直腸へと進展していくことが示されています。
出産経験のない女性でも、介護や重労働で腹圧がかかる動作を絶えず行っている場合、肥満や慢性的な咳・便秘がある場合には発症することがあります
遺伝的に結合組織が弱い体質の方も、比較的若い年齢から症状が出やすい傾向があります。
女性のための泌尿器科では、出産などにより骨盤底筋がゆるみ、膀胱・子宮・腸管などが膣壁と一緒に下がってくる病気と説明しています。
これらの要因が重なることで、中高年女性の生活の質を大きく低下させる症状につながるのです。
3. 年代別の発症パターン
- 30〜40代:出産直後から軽度の違和感
早い方では出産直後から「何か下がってくる感じ」「股に違和感がある」といった軽度の症状を自覚します。
この時期は育児や仕事で忙しく、「産後だから仕方ない」と放置してしまうケースが多いのですが、早めの骨盤底筋体操や相談が将来の悪化を防ぐ鍵になります。
若年でも出産後に発症することがあり、30代で軽度の膀胱瘤や子宮下垂を指摘される方は決して珍しくありません。
この段階なら、骨盤底筋体操や生活指導で症状の進行を抑えられる可能性が高くなります。
- 40〜50代:閉経前後から症状が明確化
40代後半から60代にかけて、閉経によるホルモン変化と加齢による筋力低下が重なり、症状が明確になる時期です。
「膣からピンポン玉のようなものが触れる」「午後になると股の違和感が強くなる」といった訴えが増えてきます。
ある大学の報告では、50歳以上の40%程度が骨盤臓器脱に罹患するとされ、閉経後に多くの女性を悩ませる頻度の非常に高い疾患です。
- 60代以降:重症化して日常生活に支障
60代以降では、症状が進行して日常生活に大きな支障が出るケースが増えます。
頻尿、排尿困難、尿もれ、排便困難など、下がっている部位や程度によって様々な症状が現れます。
国立長寿医療研究センターでは、手術を受ける方は60代が多いものの、お元気な方であれば70代・80代でも手術を行っており、年齢はあまり問題にならないとしています。
日々の生活に支障があるなら、高齢であっても治療をあきらめる必要はありません。
4.放置してはいけないサイン
骨盤臓器脱は「年だから仕方ない」と諦めてしまう方が多い病気ですが、治療できることを知らずに受診が遅れるケースが少なくありません。
次のようなサインがあれば、年齢に関わらず女性泌尿器科への受診を検討してください。
- 膣から何かが出てくる感じがあり、手で触ると丸いものに触れる。
- 午前中より午後、立ち仕事や家事の後に股の違和感が強くなる。
- 尿が出にくい、何度もトイレに行く、尿もれがあるなど排尿トラブルを伴う。
- 便秘がひどくなった、排便時に膣を押さないと出にくい。
- 歩くと股がこすれて痛い、下着に血がつくことがある。
当院では、これらの症状に対して女性医師と女性スタッフで対応しますので、安心して受診いただけます。
生活指導、飲み薬、手術以外にも、重症度やご希望に応じて自費診療も幅広く行っており、福岡では2台しかないインティマウェーブやインティマレーザーを使用した治療も提供しています。
骨盤臓器脱は、治療せずに放置すると徐々に進行し、排尿障害や排便障害が悪化するだけでなく、腎臓がはれたり出血や感染を起こすリスクもあります。
「まだ自分には関係ない」と思わず、30代・40代でも違和感があれば早めに相談することで、将来の重症化を防げます。
女医のいる薬院ひ尿器科は、福岡市の中心部にあり、地下鉄・バス・西鉄電車の駅も近く、お買い物のついでや通勤途中でもアクセスが良い場所です。
女性泌尿器科外来は水曜日と金曜日に完全予約制で行っております。
「年のせい」とあきらめず、気になる症状があれば一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

