女性の血尿、泌尿器科へ迷わず相談を!―福岡薬院ひ尿器科コラム

「えっ トイレの水が赤い…血!?」

ある日突然、自分の尿に血が混じっていることに気づいたら…。

それは、とても驚き、不安になる瞬間だと思います。「どうしよう」「何かの病気?」と、心臓がドキッとするかもしれませんね。

そして女性の場合、「もしかして生理が始まったのかな?」「ちょっと膀胱炎気味だったから?」そんな風に考えてしまうこともあるかもしれません。

でも、どうか、自己判断で様子を見ないでください。

尿に血が混じる(血尿)のは、決して正常な状態ではありません。

それは、あなたの体からの重要なサイン。軽い原因であることも多いですが、中には深刻な病気が隠れている可能性もあるのです。

この記事では、泌尿器科医として、女性の血尿について知っておいてほしいこと、考えられる原因、そして何よりも「迷わず泌尿器科を受診してほしい理由」を、心を込めてお伝えします。あなたの健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。

1. 「生理のせい」で済ませないで

女性にとって、血尿と生理の出血を見分けるのは難しい場合があります。

特に生理の始まりや終わりかけ、量が少ない時などは、尿と混じって「血尿かも?」と見えることも。

確かに生理による経血が混じることはあります。

しかし、「たぶん生理だろう」と安易に判断してしまうのは危険です。

もし生理周期と明らかに違うタイミングであったり、生理が終わっているはずなのに血尿が見られたりする場合は、泌尿器科的な原因を考える必要があります。

また、膀胱炎(ぼうこうえん)でも血尿が出ることがあります。

排尿時の痛みや頻尿といった症状があれば、「いつもの膀胱炎かな」と思うかもしれません。しかし、本当に膀胱炎なのか、それとも別の原因による血尿なのかは、きちんと検査しないと分かりません。

腎盂腎炎(じんうじんえん)という腎臓の感染症や、尿路結石(にょうろけっせき)でも、血尿は起こりえます。

「いつものことだから」「たいしたことないはず」

その思い込みが、大切なサインを見逃す原因になってしまうこともあります。

「おかしいな」と感じたら、迷わず専門医の診察を受ける、それが鉄則です。

2. 血尿が知らせる体の変化とは

血尿は、尿の通り道(腎臓、尿管、膀胱、尿道)のどこかから出血している証拠です。

その原因は、実に様々です。

【比較的よく見られる原因】

尿路感染症: 膀胱炎、腎盂腎炎など。細菌感染による炎症で出血。

尿路結石: 腎臓や尿管、膀胱にできた石が粘膜を傷つけて出血。激しい痛みを伴う。

激しい運動後: まれに、マラソンなどの後に一時的に血尿が見られることも。

【注意が必要な腎臓の病気】

腎炎(糸球体腎炎など): 腎臓のフィルター機能を持つ部分(糸球体)の炎症。検診で尿潜血を指摘されることも多いです。IgA腎症などが代表的。

【見逃してはいけない悪性腫瘍(がん)】:これが、血尿で最も注意すべき可能性です。

膀胱がん: 痛みを伴わない、目で見てわかる血尿(無症候性肉眼的血尿)は、膀胱がんの最も重要なサインの一つ。特に喫煙歴のある方は要注意。女性にも起こります。

腎盂・尿管がん: 腎臓と膀胱をつなぐ尿管や、腎臓の出口(腎盂)にできるがん。血尿が主な症状。

腎臓がん: 腎臓自体にできるがん。進行すると血尿が出ることがあります。

血尿は、これらのがんを発見する最初のきっかけとなることが少なくありません。

特に、痛みなどの他の症状がない血尿ほど、注意が必要です。

「一度だけだったから」「すぐ止まったから」と安心せず、必ず原因を突き止めることが大切です。がんの場合、早期発見・早期治療が生死を分けることもあるのです。

3. 泌尿器科で行う検査と流れ

「泌尿器科に行ったら、どんな検査をするの?」

不安に思う方もいるでしょう。血尿の原因を突き止めるための一般的な流れをご説明します。

・問診:

まずは詳しくお話を伺います。いつから血尿があるか、色や量はどうか、痛みや他の症状はあるか、過去の病気や喫煙歴など。

尿検査:

実際に尿を調べて、血液が混じっているか、細菌やがん細胞が含まれていないかなどを確認します。(尿細胞診でがん細胞の有無をチェックすることも)

・血液検査:

腎臓の機能や、炎症の程度、貧血の有無などを調べます。

・超音波(エコー)検査:

腎臓や膀胱の形、結石や腫瘍の有無などを、痛みなく観察できます。

・CT検査・MRI検査:

より詳しく尿路全体(腎臓、尿管、膀胱)を調べるために行います。造影剤を使うことで、小さな病変も見つけやすくなります。(CTウログラフィーなど)

・膀胱鏡検査:

血尿の検査では非常に重要です。 尿道から細いカメラを挿入し、膀胱の中を直接観察します。膀胱がんや結石、炎症などを目で見て確認できます。麻酔ゼリーを使うので、痛みは最小限です。

これらの検査を組み合わせて、血尿の原因を正確に診断します。

どの検査が必要かは、あなたの症状や状況によって異なりますので、医師とよく相談しながら進めましょう。

4. 早期発見への第一歩

女性の血尿。それは、あなたの体が発しているサインです。

「生理かな?」「膀胱炎かな?」と自己判断せず、たとえ一度きりでも、痛みがなくても、必ず泌尿器科を受診してください。

「泌尿器科は行きにくい…」そんな気持ちも分かります。

でも、あなたの体は、あなたにしか守れません。

どうぞ、ためらわないで、不安な気持ちごと、私たち専門医に相談してください。

当院では女性専用外来を設置し、女性医師による診察を行っております。お気軽にご相談ください。