女性に多い泌尿器の病気、症状をチェック!―福岡薬院ひ尿器科コラム

「最近、トイレが近くて夜もぐっすり眠れない…」

「咳やくしゃみで、”あっ”と漏れることが増えた気がする…」

「また膀胱炎みたいな、あの嫌な感じ…」

実は、こうした泌尿器系の症状は、多くの女性が経験するもの。

でも、「年のせいだから仕方ない」「出産したから当たり前」「恥ずかしいから誰にも言えない」…そう思って、我慢してしまっていませんか?

この記事では、泌尿器科医の立場から、女性に特に多い泌尿器の病気と、その代表的な症状を分かりやすくご紹介します。

「これって、もしかして?」と気づくことが、悩みを解消する大切な第一歩です。

ぜひ、ご自身の状態と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

1. これって普通?症状リスト

毎日を忙しく過ごしていると、体の小さな変化を見過ごしがち。でも、以下のような症状が気になったり、続いていたりしませんか?一つでも思い当たることがあれば、それは体からのサインかもしれません。

・トイレが近い、回数が多い(頻尿) :

日中、何度もトイレに行きたくなる(目安として8回以上)。夜中にトイレで目が覚める(夜間頻尿)。

・急に強い尿意が来て、我慢できない(尿意切迫感) :

突然、”今すぐ行かないと!”という強い尿意に襲われる。

・くしゃみ、咳、笑う、重い物を持つとお腹に力が入った時に漏れる(腹圧性尿失禁) :

ちょっとした動作で、意図せず尿が漏れてしまう。

・トイレに間に合わずに漏れてしまう(切迫性尿失禁): 

強い尿意を感じてから、トイレに着く前に漏れてしまう。

・排尿の時に痛い、しみる感じがする(排尿時痛):

 尿を出す時に、尿道あたりに痛みや灼熱感がある。

・尿が出しきれていない感じがする(残尿感):

排尿後も、まだ膀胱に尿が残っているようなスッキリしない感じ。

・下腹部が重い感じ、何か下がってくる感じ(骨盤臓器脱の症状) :

膣のあたりに圧迫感や、何か挟まっているような違和感がある。

・尿に血が混じる(血尿) :

目で見て尿が赤い、ピンク色、茶色っぽい。

これらの症状は、決して「気のせい」や「ただの疲れ」ではありません。体のどこかに、何らかの変化が起きている可能性があります。

2. 症状で分かる?主な女性の病気

では、先ほどの症状リストは、具体的にどのような病気と関連しているのでしょうか。

女性に特に多い代表的な泌尿器科の病気をご紹介します。

● 過活動膀胱(OAB)

膀胱が過敏になり、自分の意思とは関係なく勝手に収縮してしまう病気。

主な症状は「尿意切迫感」。それに伴って「頻尿」や「切迫性尿失禁」が起こることも。

40歳以上の女性に多く、生活の質を大きく下げる原因になりますが、適切な治療で改善が見込めます。

● 腹圧性尿失禁(SUI)

骨盤底筋という、尿道を締める役割を持つ筋肉が緩むことで起こります。

咳、くしゃみ、運動など、お腹に力が入った時に尿が漏れるのが特徴。

妊娠・出産や加齢が主な原因とされますが、骨盤底筋体操や治療で改善可能です。

● 膀胱炎(急性・慢性)

女性は尿道が短いため、細菌が膀胱に入りやすく、膀胱炎になりやすい傾向が。

「排尿時痛」「頻尿」「残尿感」が主な症状。時に「血尿」や白く濁った尿が出ることも。

繰り返す場合は「慢性膀胱炎」や、他の病気の可能性も考え、しっかり治すことが大切。

● 骨盤臓器脱(POP)

子宮、膀胱、直腸などを支える骨盤底筋や靭帯が緩み、これらの臓器が膣から下がってくる状態。

「下腹部の違和感」「何か下がってくる感じ」「尿が出にくい」「頻尿」などの症状が出ます。

程度に応じた治療法(体操、リング状の装具、手術)があります。

● 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群(IC/BPS)

原因不明の膀胱の慢性的な炎症や、知覚過敏により起こると考えられています。

「膀胱や下腹部の痛み・不快感」(尿が溜まると強くなることが多い)、「頻尿」「尿意切迫感」などが主な症状。

診断が難しく、専門的な治療が必要な場合があります。

このように、症状と病気は密接に関連しています。ただし、症状だけでは自己判断は禁物。正確な診断は専門医に委ねましょう。

3. 「年のせい」は禁物です!

「もう若くないから、仕方ないのよ…」

「子供を産んだら、みんなこうなるって聞いたし…」

診察室で、そんな風におっしゃる方が時々いらっしゃいます。確かに、加齢や出産は、尿漏れや骨盤臓器脱のリスクを高める要因の一つ。でも、だからといって、症状を放置して良い理由にはなりません。

頻尿で外出が億劫になったり、尿漏れを気にして好きな服が着られなかったり、趣味や旅行を諦めたり…。

これらの症状は、あなたの自信を奪い、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。

睡眠不足や、皮膚のかぶれ、気分の落ち込みにつながることもあります。

4. 体からの声、聞いて

いかがでしたか?女性に多い泌尿器の病気と症状、思い当たるものはありましたか?

頻尿、尿意切迫感、尿漏れ、排尿時の痛み、下腹部の違和感…。

これらは、あなたの体が送る「ちょっと助けて!」のサインかもしれません。

決して「恥ずかしいこと」でも「我慢すべきこと」でもありません。

今日、この記事を読んだことをきっかけに、もし気になる症状があれば、どうか一人で悩まず、泌尿器科医に相談する、という選択肢を考えてみてください。

当院では女性医師による女性専用外来を設置し、多くの女性患者様と向き合ってきました。なにか不安な症状があればお気軽にご相談ください。