これって膀胱炎?女性の初期症状を泌尿器科が徹底解説―福岡薬院ひ尿器科コラム
「なんだかトイレが近い」「排尿の終わりにツーンとした痛みがある」そんなデリケートな悩みを抱えていませんか。それはもしかしたら、多くの女性が経験する「膀胱炎」のサインかもしれません。誰にも相談できず、一人で不安に思っている貴女へ。この記事では、女性泌尿器科の専門家として、膀胱炎の初期症状から原因、そして対処法までを詳しく解説します。つらい症状の正体を知り、健やかな毎日を取り戻すための一歩を、ここから踏み出しましょう。
1.見逃さないで!体からのSOSである膀胱炎のサイン
膀胱炎は、膀胱の粘膜が細菌に感染して炎症を起こす病気です。特に初期段階で体に現れるサインに気づくことが、早期回復への一番の近道になります。あなたのその不快な症状が、どのサインに当てはまるか確認してみましょう。
代表的な初期症状は、まず「頻尿」です。1日に8回以上トイレに行ったり、夜中に何度もトイレに起きたりします。膀胱が炎症で過敏になり、少ししか尿が溜まっていなくても強い尿意を感じてしまうのです。
次に、「排尿時痛」が挙げられます。排尿の終わり際に、尿道や下腹部に焼けるような、あるいはツーンとしみるような痛みを感じるのが特徴です。炎症を起こした膀胱が、尿を出し切ろうと収縮する際に痛みが生じます。
「残尿感」もよくある症状の一つです。排尿後も、まだ尿が残っているようなスッキリしない感覚が続きます。これも膀胱の知覚が過敏になっているために起こる症状で、実際には尿が残っていないケースも少なくありません。
さらに、尿自体の変化にも注意が必要です。尿が白く濁ったり、きついにおいがしたりします。これは、尿中の細菌や白血球が増えている証拠です。症状が進行すると、「血尿」が見られることもあります。尿に血が混じると、便器がピンク色や赤色になることもあり、驚かれる方も多い症状です。これらのサインは、体があなたに送っている大切なSOS!むやみに怖がらず泌尿器科の受診を検討しましよう。
2.なぜ女性は膀胱炎になりやすいの?その理由と原因
「どうして私ばっかり…」と感じる方もいるかもしれませんが、女性が膀胱炎になりやすいのには、体の構造が大きく関係しています。決して、あなたが不潔にしているからではありません。正しい知識を持つことで、ご自身を責めることなく、適切な予防につなげられます。
女性の体は、男性に比べて尿道が約4cmと短く、直線的です。さらに、肛門や膣と尿道口が近接しています。このため、大腸菌などの細菌が尿道をさかのぼって膀胱内へ侵入しやすい身体的な特徴があるのです。
また、日常生活に潜むさまざまな要因も、膀胱炎の引き金となります。例えば、仕事や家事で忙しく、水分をあまりとることなくトイレを我慢する習慣はありませんか。尿を長時間膀胱に溜めておくと、細菌が繁殖しやすくなります。
体の冷えも大敵です。体が冷えると血流が悪化し、全身の免疫力が低下します。膀胱周りの血行不良も、細菌に対する抵抗力を弱める一因となります。過労やストレス、睡眠不足なども同様に免疫力を下げ、膀胱炎を発症しやすくさせるのです。
性交渉がきっかけになることもあります。デリケートゾーンの清潔を保つことは大切ですが、排泄後に前から後ろへ拭く習慣をつけ、性交渉後は排尿を心がけるだけでも、リスクを大きく減らすことができます。
3.もしかして膀胱炎?と思ったらあなたがすべきこと
膀胱炎のサインに気づいたら、自己判断で放置したり、市販薬だけで済ませたりするのは禁物です。症状が悪化して腎盂腎炎など、より重い病気に進行する恐れもあります。ためらわずに、まずは泌尿器科を受診してください。
受診する際は、いつからどのような症状があるのか、具体的に伝えられるようにしておくと診察がスムーズです。排尿回数や痛みの程度、尿の色の変化などを簡単にメモしておくと良いでしょう。
病院では、主に「問診」と「尿検査」を行います。尿検査では、尿中の白血球や細菌の有無、血液が混じっていないかなどを調べます。この検査で、ほとんどの場合、膀胱炎の診断が確定できます。診断がつけば、原因となっている細菌に有効な抗菌薬が処方されます。通常、薬を服用し始めると2〜3日で症状は劇的に改善します。
受診までの間、ご自身でできる応急処置としては、とにかく水分をたくさん摂ることが重要です。水分を多く摂ることで尿の量を増やし、膀胱内にいる細菌を体外へ洗い流す効果が期待できます。
4.つらい症状は我慢せず専門家に相談を
膀胱炎は、多くの女性が経験する身近な病気ですが、その症状は非常につらく、日常生活の質を著しく低下させます。頻尿や排尿時痛、残尿感といったサインは、体が発している重要なメッセージです。それを「いつものこと」と見過ごさないでください。
膀胱炎は、生活習慣との関わりも大きく再発しやすいという特徴もあります。だからこそ、日頃からトイレを我慢しない、水分を十分に摂る、体を冷やさない、デリケートゾーンを清潔に保つといった予防策を生活に取り入れることが大切になります。また、背景に尿路結石や排尿障害など病気が隠れていることもありますので繰り返す場合は詳しい検査が必要です。
もし、少しでも「おかしいな」と感じたら、一人で悩まずに、私たち専門家を頼ってください。適切な診断と治療を受ければ、その不快な症状はきちんと改善できます。
とはいえ、少し敷居が高いと感じる女性も多いもの。私の勤務する、福岡市中央区薬院にある薬院ひ尿器科では、女性専用外来を開設し、女性医師による診察をおこなっています。女性の皆様!お気軽にご相談ください。

